“決め方”の本質
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
久しぶりに、熱い店長会だった。
バイヤーの年末商品動向や、販売促進に関する説明等はスムーズに進行。
問題は、次年度の生産性に関しての議題。
非常に重い議題だった為、司会の部長も重そうな表情だった。
この議題に関しては、ここ数カ月の店長会の議題でもあった。
進め方としては、売上成長が厳しくなってきた昨今、地域貢献を継続する為には
企業存続が必須だが、その為に、いかに企業、店舗のコスト構造を更に改善し
店舗の裏側の競争力を蓄える目的での、生産性の改善。
生産性改善と言うよりも、生産性の回復である。
かっては、実現出来ていた生産性水準に、いかに回復させるか?。
ここ数カ月の議題であるから、初回の提案時からは、各店長とも自ら作成した
資料や、各チーフと検討したデータを元に、自ら立てた目標に対して、実現可能
なのかどうかを、売上同規模店の数値と比較しながら検討していくというテーマ
だった。
部長の意図としては、各店長のいろいろなコメントを引き出し、情報として露出
させたかったのだろうと思う。
しかし、意図とは裏腹に、なかなかざっくばらんなコメントや意見が出てこない。
そうだろう。下手にコメントすれば、自らの墓穴を掘る結末ともなりかねない。
そのうちに、店長間からこんな意見が出てきた。
「どんな生産性でも、やれと言われればやりますが、売場がどうなるかは
自信が持てません!。」
「部長が決めてくだされば、一発で解決するのではないですか?。」
その瞬間、思わず私は口を開いた。
「部長が決めるのは我々も簡単だし、部長も簡単だ。しかしそれでいいのか?。
この件に関しては、まだ何も答えは出ていない。ガイドラインが出ている程度。
しかし、ここ数カ月のこの議題に対して、各店店長が何らかの行動に出ている
ではないか。むしろほとんとの店長が生産性を意識した眼で仕事に取り組み
始めた。そして部門チーフとコミュニケを取りながら、自分のお店を自分なりに
結論づけようとしている。生産性の答えがおぼろげながら見えてきたと思う。
我々店長に求められているのは、お店の経営者として、売場で競合に勝ちなが
ら、利益の取れる体質を作り上げる事だ。売場をボロボロにすることを前提に
生産性を回復する事では無い。競争に勝ちながら生産性を回復させることを
前提に具体策と具体案を交わさなければ意味がないでしょう。そのぎりぎりの
情報を店長から引き出すのがこの場であり、部長の欲していることだ。」
そんな事を言ったと思う。そして、最後にこんなことも、
「いろいろ考えると、現状の人員から理想を導き出そうとするが、最後は
人の力に頼る事も必要。いなければいないなりに、ひとりひとりの作業
スピードは速まるもの。現状生産性の良い店舗の実態は、その生産性と
作業スピードが当たり前になっていることでもあり、その意識化が数値化
されているという事。 “えいっ、やっ、” と強行することもありではないか。」
そんなこんなで、結論は自ら出すという最終決着に収まった。
現場が動く、と言う事は、リーダー自らの考えと言葉で現場を動かす事。
他人が下した結論からは、現場では、誰も本気で動こうとはしないもの。
この組織を、大企業病に陥らせてはならない。
あくまでも、現場が自ら決めて行動するという、原理原則を崩さない。
そして、上から何を言われても、頑なに現場主導を貫く部長。
それに応える為にも、現場の店長のぎりぎりの答えを導かなければと想う。
その夜の懇親会。
ある店長が言った。
「あの場面で、トップが出てきて、一言結論を言えば、解決ですよね。」
私は言った。
「バカッ、この難局を迎えて、トップが出てこないと何も結論が出せない組織
か、と我々はトップに問われているんだぞ!。そんな危機感しか無いのか?
と。今は、自ら苦しんで“結論”を出せるリーダーが求められているんだ。」
この言葉で、皆の心が吹っ切れた、と感じた。
PS
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私の販売面での視点とは、また別の視点での「気づき」「発見」があります。
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コメント
かおるさん、コメントありがとうございます。
青果部門というのは、なかなか利益の出にくい部門ですよね。
各企業が戦略的に「戦う」部門として位置づけ、低粗利やむなしで進めてきた結果もあるのでしょう。
しかし、それでも利益創出している店舗もある。結局は、「やれば、出来る」と言う事なんでしょう。意外と他人に学びたくない風土になっているのでしょうね。
投稿: てっちゃん | 2009年12月 4日 (金) 07時39分
かおるです。
生産性の問題は私のところでも重要な課題です。何しろ部門別損益ではまだ赤ですから。
しかし店舗を売上規模別でグループ分けしてみると不思議とどのグループにも黒字店が存在する。またその黒字店のスタッフの動く速さが他店と明らかに違うのも確かなのです。
まずは自社内の手本から学んでいこうかと思っています。
投稿: かおる | 2009年12月 4日 (金) 01時40分
けんたさん、コメントありがとうございます。
自らの会社がそのような組織になるかどうかは、自らの行動にかかっているのですよ。
自らが「起点」となり、自らが求心力となり、自らが、言霊を発する。
自らの「強い意志」を磨いていく事です。
そうすれば、動かない「石」はありませんよ。
投稿: てっちゃん | 2009年12月 3日 (木) 23時08分
おはようございます
『現場主導を貫く熱い会社』
冷静な頭と熱い心 そこからうまれる
言霊に宿る魂のメッセージが 現場を
数字を変えて行く
私の会社もそうありたいと思っています
投稿: けんた | 2009年12月 3日 (木) 09時14分
ふるたさん、コメントありがとうございます。
どの企業も、元来は創業者が店主、仕入れ担当、販売員として、繁盛店を作り上げた延長線が現在。
組織が複雑になり、セクショナリズムが蔓延し、大企業病に陥っていく。
強い意志も、シンプルな考え方をするから創出されるのではと思っています。
投稿: てっちゃん | 2009年12月 3日 (木) 07時48分
こんばんは・・・・
システムも仕組みもシンプルにするのが、一番難しいですからね。
組織もシンプルにするよりも複雑にする方が、簡単ですもんね。
今までも色々なシステムが導入されたけど、完全に定着しているシステムってほんとに少ないと思います。
それは、複雑だからだと思います。
てっちゃんは、ほんまに真面目で、目的意識も高いですね。
投稿: ふるた | 2009年12月 3日 (木) 00時56分