担当者の悩み
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、以前私のお店で青果担当をしていた人間が来店した。
休憩室で書類の整理をしていた私は、彼を迎え入れた。
「おう、どうした、久しぶりだな。」
「はい、競合が出来て、めっきり商品の動きが無くなりました。」
競合出店により、予算も修正され、予算上はクリアしているものの、
現場の担当者からすれば、自ら携わる商品の動向は誰よりも敏感だ。
そして、その商品動向を回復させたい、と願う心も、人一倍高いハズだ。
私は、答えた。
「どんな商品の動きが落ちてきた?。」
「はい、いままで単品で量販してきた数量が落ちてきました。」
それは、そうだろう。彼のお店に新規出店した店舗は、どちらかと言えば、
ディスカウント。特に、今年3月に価格宣言をしたお店だ。
当然に、価格競争に陥ることは、自明の理だ。
そして、価格訴求品の二分化だ。
どちらも同品質で、同価格だったら、近場で買った方がコストは安い。
価格に動くお客様は、あくまでもコスト意識が高い。
しかし、商品を携わる担当者からすれば、商品の動きが明らかに落ちてくる
ことほど切ないものは無い。
そして、どうしても商品動向を回復させたいと願うのも当然の事だ。
しかし、考えてみれば、競合に晒されようが、晒されまいが、既存店の業績は
似たような数値状況に陥っているのだ。
と言う事は、競合の出現の有無を問わず、目の前のお客様対策を実施していく
ことが、より直接的に業績回復を図る手法なのだ。
私は、今現在、私が取り組んでいる「果実」の取り組みの資料を彼に
手渡した。本部に日報として送った資料だ。
その資料は、旬の果実(ぶどう)の販売に関して、いかに商品価値の高い
(単価の高い)ぶどうの販売を強化する事によって、価格以外の味や品質で
「どうせ食べるなら、美味しいぶどうを」というお客様の心理に訴えた事例を
まとめた資料だ。そして、彼に言った。
「価格競争をすることは大切だ。お客様は常に比べている。だから価格で
負けるわけにはいかない。しかしもっと大切なのが、価格以外の打ち出し
を、より鮮明にお客様に訴えていかなければ、より大手には太刀打ち出来
ない。価格以外の強みを育てよ。それが差別化だ。そして、それが現場の
担当者の、売る喜びだ。」
それは、我が社のトップが表明している、「商品を育てよ」にも通ずる。
知恵を絞り、価値ある商品を育てるからこそ、そこには圧倒的な味と品質
と利益の差別化が発生するのだ。
それは、以前のブログ「競合対策の本質」でも記した内容だ。
http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-1c81.html
私の説明を受け、彼は嬉々として休憩室を後にした。
後は、やるかやらないか。
情報や知識は、インターネットが普及した現在、至る所にありふれている。
しかし、どんなに知識社会が整備されようとも、人間個人個人の意志力
が高まらない限りは、行動に反映されず、結果には結びつかない。
個人の「意志力」。
こればかりは、どんなに世の中が進化しようとも、誰も手助け出来ない領域
である。
しかし、私は思う。
「最終的に、個人の差というものは、発生しなければ嘘だ。」
どこまで行っても、個人差は雲泥の差で現れるものなのだ。
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