競合店長の売場チェック
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、シルバーウィーク直前の夕方午後6時。
第二競合店の店長がMRに来た。
夕方ピーク過ぎの売場チェックだろう。
彼は、以前のブログ「競合店長に学ぶⅠ」http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_47f8.htmlにも記したが、相手企業のナンバーワン
店長である。
新規競合店が出店するにあたり、自社のナンバーワン店舗から異動してきた
人物だ。
思えば、私の店舗との距離以上に、その第二競合店の店舗のほうが、新規出店
の競合店からは距離的には近い為、第二競合店としては、企業の意地に賭けて
も負けるわけにはいかない店舗としての位置づけだったのだろう。
そして、新規出店の店長は、新たな新店へ異動し、我々二人は残った。
彼が来てからの第二競合店の売場は、大きく変わった。
商品の提案力が格段に増してきた。
商品の育成だけでなく。メニューを育成している。
まさに、地域での情報発信としての役割を果たそうとしているようだ。
そんな商品育成、メニュー育成をしていこうとする意図がはっきり伝わる。
そして、毎日が、毎週が変化する売場になってきた。
大切な事だ。
これだけ商圏が狭い範囲に3店舖も乱立する状態のなのだから、毎日来店す
る顧客が多くなってくる。
そのお客さまだけでも、他店へ流出させない為にも、変化のある売場は必須だ。
価格やカードポイントに頼る販促も大切であるが、そういう努力から折角来店し
たお客様が、実際の売場にため息をついて帰って行かれる場面も多い。
彼は、手を打って集客させ、手を打って流出を防ぐ戦略を実現していた。
そんな彼が、夜の売場をチェックしに来た。
マイク放送で手が離せなかった私は、
その後、惣菜売場付近で、彼を捕まえた。
「今月は、どう?。」
「途中から、突然厳しくなってきましたね。」
「シルバーウィーク前の財布の紐の引き締めなのかね?。」
「おそらくそうでしょうね。」
「最近、なんか取り組んでいるの?。」
「基本に戻っています。常にそこがベースですからね。迷ったら基本だ、
と部下には言っています。」
「それにしても、いろいろなメニューの提案は欠かさずやっているね。」
「安く売ることだけが能では無いですからね。情報を発信しないと。」
惣菜売場の、「生さんまの塩焼き」や「生サバの西京焼き」を見て、
私は、彼に言った。
「これが、今のうちの取り組みですよ。」
鮮魚から移動した「生さんま」と「生さば」を、それぞれ、塩焼きと西京焼きで
夕方の出来立てで提案している。
「惣菜ほど、旬の概念が無くなってきたからね。今の旬を一番よく知らせる
商品が、さんまとサバ。生の美味しさ、秋の味覚をそのままお客様に提案
したくて、生さばの西京焼きも、お惣菜で商品化して販売してます。」
彼は、言った。
「自社でいつも言われるのは、“惣菜ほど旬を出せ”と。この“さんま”や“サ
バ”の提案は勉強になります。」
そう言ったら、必ずやるのが「彼」だ。
“手の内を見せ合う”
表面上の売場の展開に関しては、いつかは見られる。
しかし、その売場には、必ず販売する者の意図と努力が隠されている。
それらは、実際にやってみた者だけがぶち当たる壁だ。
そして、その壁は、当事者にしか解決できない。
そのような自信を持ったものだけが、手の内を見せ合う事が出来る。
そういう存在が、自分の競合店にいるという幸運。
金では買えない、大切な存在だ。
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