“仕組みづくり”の本質
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
店長がチェーンストアの店舗運営をしていく上で、一番大切な事。
それは、“仕組み作り” だろう。
店長が、居ても、居なくても、基本レベルが維持され続ける事。
口で言うのは簡単だが、これこそチェーンストアの本質。
しかし、それだけが店長の存在価値で無い事は周知の通り。
仕組み作りと定着を目指し、店長は日々現場で、現実と格闘していく。
しかし、仕組み作りをしていく上で、マネジメント層が忘れがちな事。
それは、「思考の委譲をする」、と言う事。
思考の委譲。
経験の少ない人間が、組織のなかでチェーンストア化された店舗を人事異動
を繰り返しながら成長していく過程で、より効率よく店舗運営を円滑に施行し
ていく上で、マニュアルが出来上がる。
そして、今現在、そのマニュアルを更に磨き込んで、組織安定を図ろうとする
企業と、磨きこんだマニュアルを捨て去り、刷り込まれたマニュアルに個人の
その場対応力を期待し、思考力の思考機会を委譲する企業とに別れつつあ
る。
以前のブログで記した「知識労働者」
http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-9158.htmlや
「ABCマートの現場力」
http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/abc-7620.html
などは、その典型だろう。
そして、それは、組織を強固に拡大してきた創業者や企業家が本来有していた
商売の原点への回帰でもある。
創業者は、特に組織拡大をしていく上で、自分の部下に、自分と同じ商売の
“血”を受け継いでほしいと願う。
しかし、同じ人間とはいえ、考え方は微妙に違う。同じ目標に向かうにも
違う階段を上る。それは、部下にとって見ると、一番の効率よく、強固に
階段を上る手段なのだということを、ついつい忘れてしまう。
そして同じ目標に向かうのに、同じ階段を上らせようと、同じ階段を用意する。
しかし、マニュアルを強化し、どんな場合でも引用できるマニュアルの完成は、
人間から、思考機会を奪い去る。
そうして、ますます本部のみが思考し、現場との乖離が大きくなる。
それは、本部にとって見ると、勇気のいる事だ。
一つは、自らの領域を明け渡す、ことを意味し、
二つは、思考機会を、譲渡するということだから。
自ら歩んできた、紆余曲折の体験を、部下にも経験させ、
失敗の機会増加の懸念が増していく事だからだ。
「こんな時代に、失敗は出来ない」。
しかし特に若年層が、いまの時期に失敗しないでいつ失敗すると言うのか?。
まして、従来の成功体験を積んだ我々の発想が通じなくなっていく時代に。
だから、「チャレンジ精神」 という考え方を持った人材が貴重になっていく。
いくつ売る、という強い精神を持ち、実行力を有し、継続していく若者。
いま、彼らに、思考機会を譲渡しなくて、いつ、するというのか?。
いまが、最高のチャンスだと言う事だ。
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