ABCマートの現場力
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、「カンブリア宮殿」で、ABCマートを取り上げていた。
靴の販売店として、いまや「ユニクロ」などと共に勝ち組企業の代名詞だ。
以前にも、部下から「ABCマート」の話を聞いていたので、見てみたいとは思っ
ていたのだが、今回録画する機会があったので後日見てみた。
後輩から聞いていた話、
「ABCマートでは、週末になると本部スタッフが全員店舗に入り、現場の声か
ら商品開発や店舗サポートを考えるそうですよ、店長。」
そんな、部下の話だった。
そして、実際の放映でも、社長の「野口 実」氏が自ら店舗へ飛び込んで、
接客、在庫確認、販売をこなしてしまうシーンが出てきた。
現場感度を、社長自ら失なうまいとする姿勢は、なかなか無い。
更に、店舗の一日の販売の流れを通して、
「ABCマート」の販売力の秘密を箇条書きにまとめたものが提示された。
売れる秘密
① 店舗間のライバル店を刺激
常にデータでライバル店の売上をチェック
② 販売員は多くする
常にマンツーマンの接客を目指す
③ 店員は走る!走る!
自店に在庫が無ければ、近隣の店舗まで走って取りに行く。
④ 天気で売り場を変える
一日の中で、環境の変化、天気の変化に機敏に対応する
⑤ 最後の一足はワゴンで売切る
サイズ不足の商品は、定番から抜いて、売り切りコーナーで売切る
⑥ 店長の執念
一人一人、マンツーマンで、コミュニケーションを図り、100%の能力の
発揮を要求する
上記だが、私が一番感心したのは、店長が一日の半ばで一人の販売員を
呼んで「気合い?」をいれている様子だった。
「今日の君は、いつもの意欲を感じないね。どうしたの?。いつもなら
もっと意欲を持ってお客様に一押しするでしょう?。」
そんな感じだった。
その店長のインタビューへのコメントは、
「私の仕事は、部下の能力を100%引き出す事。もし部下の能力が100あっ
て、現在70しか出していないのであれば許さない。100の能力があったら、
100出し切る事を要求します。」
それが、お客様の為でもあり、お店の為でもあり、とりもなおさず自分の為でも
あるのだ。
そういう上司に部下は育てられるのだ。
その映像を受けて、村上龍に質問された野口社長は、こう答えた。
「なかなか出来る企業は少ないと言いますが、この項目は全て当たり前のこ
とだと思うんです。」
この6項目に関しては、全て現場で積み上げてきた「当たり前」を集約しただけ
なのだと言う。
実現している企業や店舗からすると、上記項目は至極当たり前の事が、
しかし、実現できずにジリ貧になっていく企業は、なかなか出来ない、と言う。
そこに、企業の栄枯盛衰の理が隠されているのだろう。
そして、その当たり前を、社長が当たり前に実践してしまう。
これで、弱い訳が無い。
また、「マニュアル」という言葉に関しても、野口社長はコメントしている。
「最低限のマニュアルはありますが、それ以上のものはありません。
マニュアルによって、一人一人の販売員の可能性を縛ることはしたく
なのです。」
あくまでも、現場の従業員を活かす事で、お客様を大切にするという
思想が貫かれている。
そして、その思想が良い接客につながり、結果、リピータとして戻って
来てくださる、という商売の原点だ。
その、野口社長の接客のポイントとは?
① 面と向かって、「声」をかけない。
② お客様から聞き出さずに、「感じる」こと。
③ 大きいサイズから、履いてもらう。
奥の深い、ポイントだ。
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コメント
Pさん、コメントありがとうございます。
他人は自分の鏡。
他人の嫌な部分は、必ず自分にも存在する。
私も気がつけば、いつしか嫌な上司になっている。
だから、常にこのような番組や読書で自分チェックが必要ですね。
Pさん、またコメントください。
投稿: てっちゃん | 2009年7月 6日 (月) 18時45分
トップ自ら現場の声を聞いて生かす、それもお客様の声を自らが聞くのはすばらしいと思います。中には業績が悪いと、あれやれこれやれと言うだけで、やりもしない上司がいますがモチベーションが下がりますね。私もみんなと一緒になって取り組みしていこうと思います。貴重な情報ありがとうございました。
投稿: P | 2009年7月 6日 (月) 07時13分