競合店トップの来店
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
昨日のブログでは、ご馳走部門としての精肉部門の認識の変化を記した。
そして、素材部門としての日本人の心は、やはり「鮮魚」だ。
日本人が一番たいせつにしている「心」。
先祖を敬い、神に従い、天の恵みに感謝する、「心」。
そして、その場面に必ず出現し、日本人の「心」を代表する素材が「魚」だ。
従来から、周りを海に囲まれ、その天の恵みとしての「魚」を享受してきた。
その歴史が、日本人をして、「魚」の存在を位置づけてきた。
その結果として、スーパーでのレイアウトの位置づけも決定されてきた。
しかし、日本人の食生活も向上し、欧米から肉食の文化が輸入され、
牛肉を中心とした食生活が拡大していった。
そして、いつしか肉食のご馳走が蔓延し、家庭に定着していった。
日本人にとって、魚とは、高級魚。
真いわしですら、口に出来ない魚になってしまった。
そして、昨年の原油高にて、ますます縁遠くなってしまった鮮魚部門だ。
その鮮魚部門の、素材の最たるものが、「丸魚」だ。
「丸魚」というカテゴリーほど、地域性の高いカテゴリーは無い。
海岸沿いのエリアでは、丸のまま家庭に流通し、
山岳部のエリアほど、姿容を変え、流通する。
海沿いのエリアでの鮮魚とは、「丸魚」を指し、
山岳部のエリアほど鮮魚とは、「塩干」を指す。
そして、どのエリアのスーパーでも、敢えて産地直送や築地直送を企画する。
当社もそうだ。より鮮度を強調するあまり、販売する力も無いのに企画する。
しかし、この流れは、止めようもない段階に来ている。
だから、素材に戻り、ご馳走としての鮮魚の位置づけを回復させるには、
「丸魚」の販売力が、問われることとなる。
私は、「丸魚」の販売力(売り切る力)が、そのお店の鮮魚の力だと考える。
お店の販売力(技術力)と、お客様の購買し食事する消費力の結晶が
「丸魚」の売上となる。
そして、お店とお客様の力をつけていくことが、今後の鮮魚の最大の課題だ。
先日、競合店のトップが来店した。
以前に公開した、鮮魚の築地直送の売場を、このときも私が主導し展開し
していた時だ。
競合店トップ
「店長自ら、長靴はいて売場造りしているの、すごいね。」
私、
「最近、そちらの鮮度感に負けていますので、派手にやってみました。」
競合トップ
「ここまでやると鮮度感のある、見事な売場になるね。すごいね。」
私
「ありがとうございます。昔とった杵柄が役に立ちました。」
その後、すぐに、競合店の鮮魚チーフが来店した。
「社長に言われて、すぐに着ました。」
「先を越されました。うちも明日やろうとしていたのに。」
やるのは簡単だ。継続できるかだ。
一時やるのは誰でも出来る。
継続するのは、販売力をつけなければ出来ない。
その販売力が身に付かないから、いつの間にかやれなくなってしまう。
今、鮮魚に求められている最大の改革が、丸魚の販売力だ。
そして、そのことに関して、店長としてチーフと連動し、入り込む。
いろいろな知恵を絞り、なんとしても、「丸魚」の販売力を身につけ、
「丸魚」で利益確保し、築地直送を継続させ、集客を得る。
築地直送とは、本来、築地に集まる更に鮮度の良い魚を、
本来の鮮度を強調して、お客様に提案するために実施する。
だから、鮮度の良いお魚を、わざわざラップして包装して、
本来の鮮度を殺して陳列した段階で、本末転倒なのである。
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