利は元にあり
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
「利は元にあり」。
商売の世界では、良く聞く言葉。
“商売の基本は仕入れにあり”
“美味しいの元は仕入れにあり”
“利益の元は仕入れにあり”
いろいろな意味を含んだ言葉だ。
昔ながらの商売のスタイル。
それは、社長が仕入れを担当し、番頭が販売を担当する。
それだけ、仕入れは商売の基本であり、オーナーの譲れない領域。
本来の「利は元にあり」とは、上記の意味で使われてきたのだろうが、
私は、もうひとつの意味で、「利は元にあり」を実感している。
物は本来、ありのままの姿で流通していた。
「野菜」も「果物」も、「魚」も「牛」も「豚」も、更には「豆腐」も「納豆」も「漬物」も。
みんな“裸”のままで流通していた。または活きたまま、丸のまま流通していた。
それが、本来の姿のなのである。
しかし、いつしか中間業者が入り込み、加工され、調理され、小割にされ、より
小売が販売しやすい状態にサービス化され流通するようになっていった。
それが、問屋の機能である。
問屋機能と役割に関しては、以前のブログ「PBとNB」http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/pbnb-c0dc.htmlでも記した。
流通の進化により、コストをかけ商品形態を進化させ、よりお客様が手間をか
けずに消費すやすい商品化を進め、小売の売場に展開されてきた。
その流れが、また大きく変化しつつある。
消費動向が、「素材」に逆戻りしているのだ。
より手間をかけない、よりコストをかけない商品化への回帰である。
外食から、スーパーの惣菜へ、そして更に生鮮の素材への回帰。
そこへの回帰により、お客様としてのコスト低減が図られる。
更に付随して、本来の食事のあり方、本来の素材の味へも回帰する。
そして、我々はどうか?
我々スーパーも、素材という「元」へ戻るのである。
中間業者がコストをかけ、小売が販売しやすく加工された過程を
徐々に、より素材に近い、加工されていない状態での仕入れに戻るのである。
いや、戻さなければならない。
なぜか?
そこから、本来の商売の本質を獲得するためだ。
素材を元へ戻せば戻すほど、原料本来が持つ「味」が残っているからだ。
素材を元へ戻せば戻すほど、原料品質を見極める「目利き」が育つからだ。
素材を元へ戻せば戻すほど、コスト低減が図られ、利益創出できるからだ。
但し、今まで中間業者がかけていた「手間」を、我々が請け負うことでもある。
そこに、今後のスーパーの新たな技術習得の挑戦が待っている。
それは、技術的には、かっての「八百屋」「魚屋」「肉屋」「パン屋」に戻ること。
お客様が素材という元に戻っている以上、
我々も、素材へ戻っていくしかないのだ。
そして、そこへ戻れた企業ほど、お客様からの信頼を得、次のステップへ
進むことが許されるのだろう。
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コメント
KOZOさん、コメントありがとうございます。
今後ますます、クロスオーバーな戦いが繰り広げられていくのでしょう。
だから我々は、ますます「フェイス・トゥ・フェイス」の世界を極めなければならないと思っています。
人と人が、顔突き合わせて、目と目を合わせて商売をする。
そこに人間本来の素晴らしさ、生きている実感を感じられるような商売。
「人と人がリアルに交わるから、買い物は楽しい。」そんな環境を作り上げていきたいものですね。
また、コメントください。
投稿: てっちゃん | 2009年3月23日 (月) 00時10分
お久ぶりにコメントさせていただきます。
先日、ガイアの夜明けの放送で(私のところは月曜の24時30分から放送です)、運送業者が青果の生産地へ集荷にいき、それをドライバー自らが販売し、その売り上げがその企業の全体の2割までになっているというのがありました。今後、その企業は更にネットワークを拡大し、産地と販売網を広げていくとのこと。青果という単純素材の販売だから可能との見方もできますが、流通業者が直でやっているため、市場を通す時間とコストが省かれ、その結果消費者により鮮度がよく、安く、また、生産者もあらかじめ値決めされているため、価格が安定して良いとのことでした。楽天を筆頭とするネット上の通販も好業績、我々店舗販売小売業は、見えないライバルとの戦いも見据えていく為にも、専門店化へのスキルアップが今まで以上に必要と感じます。
追伸 某セミナーの件しばらくお待ちください。只今、資料整理中です。
投稿: KOZO | 2009年3月21日 (土) 19時51分