退職 Ⅳ
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
かっての私の部下の「退職」の話を聞くことほど、寂しい事は無い。
私の直属の部下であれば、直接話しを聞いて、直接対話が出来る。
しかし、他人づてからそんな話しが聞こえてくると、手遅れの場合が多い。
今回もそうだ。
ある人間からメールが入った。
かっての部下が退職の意向だという。
以前のブログでも記したが(退職http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_ea1b.html)、
入社1年~2年の退職と、入社3年以上の退職では訳が違う。
新入社員~2年目までは、まだまだやり直しも利くし、ましてやり直すほどの
経験もしていない。転職するなら今のうちだ。
しかし、3年以上の経験をするということは、いままでの3年間の努力が無駄に
なる、ということだ。
3年間先輩に付き、「馬鹿だ、チョンだ」と小突き回され、本人も一からのスタート
をし、ひとつひとつ経験を積み、ようやくひとつの光が見えてくるのが3年後。
その3年をベースにし、そこから更に3年を積み上げれば、その道(部門)の
スペシャリストに向って、加速度的に実力を身に付けていく。
しかし ・ ・ ・ 。
その3年を経過した後、退職をし、同じゼロからのスタートを他の職業で切る。
それほど、いままでの3年の経験を無駄にすることは無い。
3年を経過してからの3年。その一年一年の積み上げは、本人にとっても
大変楽しい一年一年に変化していくものだ。
まして今回は、転職後のl収入が不安定だと言う。
不安定というより、そのことによっての収入は、未確定だと言う。
私は、思わず、彼の携帯に電話した。
「夢と希望だけでは暮らしていけないんだぞ。」
「僕のやりたかった事なんです。」
「もっと冷静に考えろ。今の話では現状から逃げているとしか思えない。」
「 ・ ・ ・ ・ 。」
「俺はお前の為に言っているんだ。このまま転職したら道を踏み外すぞ。」
「もう、決めてしまった事です。引き返すわけにはいきません。」
“俺は、お前の20年前を歩んできたんだ。お前の未来も見えるんだ”。
そう言いたかったが、言葉を呑んだ。
「退職するまでまだ時間はあるんだ。もう一度考え直せ。」
「はい、わかりました。お電話頂いてありがとうございました。」
一度退職を考えた人間が、引き帰るのは難しい。
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