ベーカリーの動向・その後Ⅱ
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
昨日、「ベーカリーの動向・その後」を記した。
本日は、その続編。
ベーカリーが「波」に乗り始めてきたな、と思っていた矢先だった。
一人のベーカリーの担当者が、夜の遅番で残っていた私に、言った。
「店長、今日は土曜日で8時以降の集客が落ちるので、7時前から、早めの2割
引の値下げをかけて見ました。そうしたら、だいぶ数量がさばけているんです」
「先週の土日は、集客が落ちてから値下げをかけてしまって、ほとんどロスと
廃棄の山となってしまったので、今日は、やり方を変えて売切ろうと思いまし
た」
なるほど。
彼は、彼なりに、いろいろ考えて行動している。
彼の考えでは、どうせ廃棄になるんだったら、せっかく真心を込めて焼いたパ
ン、お客様に食べてもらって、美味しいと感じていただいて処分しようと。
だから、お客様がまだまだ来店されている時間帯から、少ない値下げ幅で売り
抜こうと。
これは、彼なりに、そうとう重い決断だったはず。
一歩間違えば、更にロスが重なり、利益喪失だ。
結果。
その日は、売上前年クリア。値下げ額も約5万。
5万の値下げを多いと見るか、妥当と見るか。
いずれにしても、売上40万を超えるなかでの、値下げ率11%だ。
それ以前の値下げ率15%前後を考えると、改善だ。
更に、売上が、かっての競合出店前に戻りつつある。
生鮮、特に製造部門としての「惣菜」「ベーカリー」「鮮魚」「精肉」の4部門。
この4部門は、造ってナンボの世界。
生産しなければ、それ以上の売上は、有り得ない。
だから、事前計画としての、販売計画がすべて。
計画する技術。
製造する技術。
そして、売切る技術。
売切る技術も、上記2つの技術と同等に、大切な能力だ。
この能力、技術が欠けただけで、売上、荒利とも残せない。
計画したら、造り切る。
造りきったら、売切る。
その継続が、夕方のお客様に対して、
「あのお店にいくと、いつでも商品が豊富。」
という、“ロイヤリティー”が生まれる。
このロイヤリティーこそが、製造部門の失ってはいけない信頼だ。
だから、製造部門は “攻め続ける” ことが、最大の防御。
値下げを、縮小均衡へのダウンスパイラルへ向かわせる落とし穴ではなく、
この鮮度で、この価格、と思わせる、特売以上のロイヤリティー向上の為の、
攻めの道具として、有効に活用することこそが、最大の防御になる。
結果
夕方の集客は増加し、いつしか同じ値下げ金額が、率でみると改善。
それが、製造部門での一人勝ちという、ゴールデン・ロードへの道だ。
これは、私の持論。
それを、私の部下が忠実に、自ら考え、実行しただけのこと。
自ら考え行動した結果は、成功でも失敗でも、知恵として蓄積される。
その日以来、彼を中心とした遅番チームが、その日の夕方以降の集客を
予測し、値下げ対応を継続してきた結果、売上は、昨年の状態に戻りつつ
ある。
更に、私の仕事は、その成功事例を、横に拡大させること。
かって、このお店が、攻め続けて、伸びてきたように。
しかし、同じ方法では頭打ちは早い。
更に進化した、売り切りの技術に挑戦していくことだ。
それを、共に考え、共に挑戦し、共に成功、失敗を共有していくこと。
更に仕事が楽しさを増していく。
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コメント
たかしさん、コメントありがとうございます。
今後とも、よろしくお願いいたします。
投稿: てっちゃん | 2009年10月 6日 (火) 13時19分
初めまして、福島県でベーカリーのバイヤーを担当しているたかしと申します。
(たぶん、競合はしていません(^-^;)
てっちゃんさんのブログを検索エンジンから見つけて拝見させていただきました。
店長としての考え方が感じ取られて
ものすごく参考になります。
これからも拝見させていただきます。
よろしくお願いします
投稿: たかし | 2009年10月 6日 (火) 09時59分