« 今年の学生店舗見学会 | トップページ | 最近読んだ本Ⅱ »

2009年2月25日 (水)

懐かしい顔Ⅴ

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


世の中は、本当に狭いものだ。

 かっての企業で、私と一番近い存在の仲間が、私の近くのお店へ赴任してきた。
 鮮魚部門の後輩でもあり、いろいろと私を慕ってくれていた人間でもあり、今回の
 人事異動に関しては、私も「運命」的なものを感じてしまった。

 そしてなんと、会社の指示である競合新店のMRをしていたら、その彼とばったり
 と出会ってしまった。

 電話連絡で、この地に来ているとは聞いていたが、まさか何の関係も無い別の
 競合店で出会うとは思わなかった。

 出会った彼は、さすがに戦略店舗の店長らしく、スーツ姿でバリッと筋の通った
 姿勢だった。

 入社当時の彼は、どことなく弱々しく、「この部門では無理だろう」、と思わせるよ
 うな印象だったが、鮮魚チーフとして大型店で実績を積むようになってから“頭角”
 を現してきたのだ。

 山形の地域で、私といっしょに副店長仲間として、部門合同展開の売場造りを
 競うようになってから、彼とは懇意にしてきたが、お互いに店長昇格後も絆を深め
 てきた。

 私の退職の話しを聞いて、わざわざ訪ねてきて飲んだりもし、その後会社を離れ
 てからも、交流は途切れなかった。

  いつの頃からか、彼は私を“師匠”と呼び、私は彼を“丁稚”と呼んでいた。

 ある競合店で出会った彼は、いの一番に言った。
  「てっちゃんと私は、永遠の師弟関係にあるんですね。」

  そうかも知れない。

 心の“師匠”は、私にもいる。
 迷ったとき、判断に苦しんだとき、二者択一のとき
 「あの人だったら、どう判断し、どうさばくか?。」

  心のよりどころだ。
  そして、それは、なによりの“財産”だ。

 財産にもいろいろある。
 「金」「家」「土地」「宝」「所有権」など。
 さらに、
 「知識」「知恵」「資格」もそうだ。

 しかし、企業人として、商売人として、一番の財産は何か?。

  それは、「心の“師匠”」に出会えることだ。

 仕事として、いろいろな「スキル」「技術」「知恵」を身に付けるが、
 人として、自分の師匠に出会えなかったら、心の成長は出来ない。

 同じ道、同じ目的、同じ方向へ進む、企業の仲間として、
 師匠と慕う先輩の存在、師匠と慕われる後輩の存在。
 その存在が、その人間を“鍛える”のだと思う。

 彼と一番初めに出会った時の、彼の顔つきからは、
 あまりにも変貌し、精悍で戦う男の表情になった彼を見ていると、

  “師匠が弟子に追い越される”

 そんな寂しさと嬉しさ。心の満足感が、ジュワァ~と湧いてきたのである。
 そして、私の思想、私の言葉が、彼の口から後輩へ受け継がれるのだ。

|

« 今年の学生店舗見学会 | トップページ | 最近読んだ本Ⅱ »

友人」カテゴリの記事

コメント

かおるさん、コメントありがとうございます。

心の師匠とは、意外とそんな方かも知れませんよ。
私が、今、店長としての考え方を一番参考にしているのも、当時は目も合わせたくないと思っていた私の上司の店長です。
部下が「心のあるべき姿」を取り戻した段階で、今まで見えていなかった世界が見えてくる。その世界から素直に学べる、心の状態。
そして、「青果一の実力者」と慕ってくれる同僚の存在。それも、かっての上司から学んだ結果と受け取るべきなのでしょう。
かおるさん、青果の競合対策の一番のポイントを教えてください?(失礼)。
また、コメントください。

投稿: てっちゃん | 2009年2月26日 (木) 07時35分

かおるです。
私にも愛すべき弟子はおります。かつて同じ店舗で青果のチーフと部下という間柄でした。今は同じSV仲間ですが、まったくキャリアアップしない私に対して、いまだに会議等で「青果一の実力者」などと持ち上げてくれます。
少々面映い時がありますが…。心底「心の師匠」と呼べる人には出会えていない気がします。二度と会いたくない上司とかはいくらでもいるのですが。しかし最近妙な事に気づきました。てっちゃんさんのような「迷ったとき、判断に苦しんだとき」あの人ならどうするか、と無意識によりどころとしている人物が私にもいたのです。それは商品部時代の最後の上司、当時は大の苦手で不倶戴天の敵とさえ思っていた人だったのです。

投稿: かおる | 2009年2月26日 (木) 00時26分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 懐かしい顔Ⅴ:

« 今年の学生店舗見学会 | トップページ | 最近読んだ本Ⅱ »