最近読んだ本Ⅱ
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
先日、ネットでいろいろ見ていたら、商業界のスーパー業界向けの新書として
著者 五十嵐正昭 「ヨークベニマルの経営」
なる本が登場していた。
思わず、そのまま、ネットで購入してしまった。
“ヨークベニマル”
私にとって、想い入れの深い企業である。
日本最強のスーパーマーケットの呼び声の高い企業である。
そして、“人を育てたら、日本一” との声も幾度となく聞いた。
著者は、その企業に入社し、主に1990年代に、ヨークベニマルの開発担当役員
として在籍し、当時の経営者の2名から直接聞いた“肉声”や、役員会でのやり
とりなどから、当時の経営者の「姿勢」「思想」「指導」に直接触れ、その思想が
どのように末端の現場の社員に推進されていったのかを記したものだ。
要は、経営トップの思想が、現場、店舗、売場で具現化されていくのかを、具体
的言葉や態度で示したもので、本当に貴重なドキュメントだといえる。
読んでいての感想は、
「よく、当時の言動や会話を記していたなぁ~。」
「こんな、なまなましい会話のやりとりがあったんだぁ~。」
そして、それは、それだけの驚きではなく、そのなまなましい会話のやりとりが
経営者の「姿勢」「思想」「指導」の面で、従業員を奮い立たせる“言霊”として
沸き立っているからである。
その“言霊”から、ヨークベニマルの「DNA」が醸成されていったのだ。
そして、そのDNAが、現場までダイレクトに伝わり、店長中心の個展経営が
トップの想いを反映しながら深耕していった。
この本は、まさに、ヨークベニマルの真髄としての「DNA」の核心部分が克明に
描かれた本だといえる。
そして、そういう目で現場、店舗、売場を見ると、なるほどと思う。
いたるところに存在する「関連販売」。
イベント時にダイナミックに出現する「メニュー提案の合同展開」。
単品量販品は、定番売場を3尺縦割りでこれでもかとフェース拡大販売。
それが、日常茶飯事で繰り返し繰り返し、提案を変えて展開される。
無尽蔵に埋蔵された売場企画力と展開力。
その背景には、企業トップの確固たる思想が存在し、それを受けて、
暮らしの実体験者としてのパートさんの暮らしの知恵が花開く。
そして、その両者の信頼関係を、現場監督の店長がマネジメントする。
その流れの裏側に存在するDNAが明確に記載されている。
この本は、スーパーマーケットに携わる人間にとっては、是非とも触れておき
たい思想が込められたひとつのバイブルだと言える。
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コメント
KOZOさん、コメントありがとうございます。
現場監督としての店長の言葉の重みと企業トップが企業内で発する言葉の重み。
トップほど、全従業員が明るい未来へより積極的に向える言葉を必要とされますよね。
そして、現場では確実に歯車を回すだけのパワーと心遣いを要する。
そう、思いながらなかなか出来ていない自分。
また、コメントください。
投稿: てっちゃん | 2009年2月26日 (木) 07時53分
最近弊社のトップもよく「言霊」とか「光透波」ということばをつかいます。明元素(肯定・積極・プラスの言葉)を使い、暗病反(否定・消極・マイナスの言葉)を発しないように・・・と。
以前のてっちゃんさんのブログにもありましたが、現場では時として腹に収まらない理不尽なケースがありますが、そんなとき、ありがとう(有り難う)と思えたときはその後が好転することがありますね。
経営のトップも、店のトップも、部門のトップも常に、ことばはプラスに置き換えて発しないといけませんね。思っても、ことばで発したか、発しないかでその瞬間後は大きくかわるのですから・・・、気をつけたいものです。
おすすめの本早速購入します。
投稿: KOZO | 2009年2月26日 (木) 05時53分