今読んでる「本」Ⅳ
皆さん、こんにちは。
北関東の食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
今読んでいる、というか、読み終わった本で、
久しぶりに、同じ“血”の流れを感じた「本」があった。
「会社は頭から腐る」 富山和彦著 ダイヤモンド社 だ。
コンサルタント会社の代表から、時の小泉首相の下、産業再生機構の代に
身を転じて、「カネボウ」「三井鉱山」「「フェニックス」「栃木レザー」等の再生
に尽力を尽くした方だ。
私は、NHKの特番で「栃木レザー」の再生の番組を見て、知ってはいたが、
実際に、この方の著を読むのは初めてだ。
まず、冒頭に、
「経営とは、人の営為」 とある。
人は時として、人という情緒的で、それぞれに異なる背景、個性、動機づけ
を持った存在が、共通の目的に向かって協働することの難しさを忘れてしま
う。
と、言っている。
以前にも、ブログ「マネジメント 私の流儀」http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_4be1.htmlでも記したが、経営が教科書通りに
進まないのは、人間が介在するからだ。
人間と言う、ドロドロとした内面を持ち、理屈通りには事が運ばない人間の
営為だからこそ、ひとりひとりの「情の論理」をしっかり洞察して、理解する事
から、すべてを始めなければ、個人も組織も動かないのである。
特に、日本人という、欧米の“狩猟民族”には、理解しがたい“農耕民族”
特有の「和の心」。
村という、共同体としての組織への帰属感が、我々のDNAには強くすり込ま
れているのだ。そのDNAはそう簡単には破壊できない。
だから、そのDNAに訴えた組織管理で、個人の力量を引き出すマネジメント
で無ければ、組織を動かすことは出来ない。
それは、どんな経営書や、学校の教科書にも出てはいない。
叩き上げの当初より、現場で人と格闘しながら体にすり込んでいく。
あえて言えば、過去からの、偉大な経営者や先達の、“言葉” から学ぶ
以外に無い。
しかし、それですら、実体験として、現場でガチンコ勝負を繰り返して
初めて、「情」として理解できるのだ。
そう、この部分に関しては、「知」で理解しても身につかない。
必ず、「情」として、実体験を繰り返すから、人の痛みを理解できるのだ。
*ブログ「振り子の法則」http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_e34f.htmlを参照。
そして、それを覚悟の上で、産業再生機構のリーダーとして、企業再生に着
手してきた「著者の凄み」が、この本からは溢れ出ている。
最後に著者が言っている。
「卓越した経営者というのは、想いの強い人だということ。
お客様の事、従業員の事、取引先の事、会社の事、事業の事。
その全てに矛盾をはらんでおり、その矛盾から逃れず、逃げず、
立ち向かう姿勢がいつしか、強烈な哲学的信念や人生観を発散
するのものだ。」
そんな匂いのプンプンする店長に、なりたいものだ。
PS
にゃんにゃんの新しい写真集http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/photos/nyannko27/ができました。どうぞ。
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