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2009年1月13日 (火)

失敗の独り占め

皆さん、こんにちは。
 食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


店長としての、日々の「判断」にも、いろいろある。

 先日、月に一度の“年末並み”の売上拡大日に、青果のレイアウトの打ち合わせ
 をしていた時のこと。

 青果チーフ案と私の案で、食い違いがあった。
 それを聞いて、私は迷った。

  答えを言うべきか、させてみるべきか?。

 そして、あえて言った。

  「私だったら、この売場の始まりは“いちご”で攻めるな。
  何故なら、リスクをもって200ケース以上発注しているのだろう?。
  いちごは鮮度落ちも速く、単価も高い。売れれば金額になる商品。
  だから、お客様の目に、一番初めに触れさせ、売り切る。
  そんな考えで、売場のレイアウトを考えるね。だからここは、いちごだ。」

 今回は、あえて “答え” を言った。
 そして、その売り場造りに協力し、共に計画数量を売り切った。

また、グロサリーチーフからは、平台の展開に関して相談を受けた。

 上記の売上拡大日の展開に関してだった。
  「店長、平台の半分の企画をどうしたらいいですかね?。」
   「いま何が売れている?。」

  「うどんとかの温麺の動きがいいです。
   そうですね。うどんと焼そばで展開しますか?。」
  「おまえがそう言うんだから、それでいこう。」

 グロサリーには、そのままやらせた。
 そして、グロサリーでも商品の品出し等の手伝いをしながら動きを確認した。

その違いは、何か?。

 一つは「信頼関係づくり」
 二つは「リスク分散」

 店長と部下、そこには絶対の信頼関係を要する。
 その最大の要因は、店長の能力だ。

 部下のモチベーションを高めるのが店長の最大の仕事だが、その過程で
 店長の能力を認知してもらわなければ、部下は安心して着いてこれない。

 その最大の能力とは、「未来はこうなる」と予知できる能力。
 具体的には、「こうすれば、こう売れる。こうすれば、こういう結果になる。」
 と言い切って、その通りの結果を出すこと。

 その積み重ねが、店長と部下との信頼関係を生み、醸成される。
 そして、店長として絶対の存在となる。
 だから部下は、いぜれ任せてもらった仕事に対しての「責任」を持つのだ。

 また、店長として、リスクの大きさに対しての責任の取り方も、決断のひとつだ。
 そのリスクを、部下と共有し、ともに分散する。
 その結果の数値責任も、共有する。

 だから、同じ場面に遭遇した場合、次回は、青果チーフには、彼の案で
 任せるだろう。

 部下が、自ら決断し、選択する。
 このことが、一番結果につながる。
 それでも、いろいろな成功、失敗を経験し、ひとつひとつが学びの場となる。

ときとして、店長はその役割から、「失敗の独り占め」を犯してしまう。

 いろいろな状況、場面に対して、リスクと責任を背負い、果たそうとする。
 その結果、成功、失敗からの学びの場も、独り占めしてしまう。
 それを意識していなくても、結果として、全てをひとりで学び、独占してしまう。

 しかしそれは、店舗という組織で考えた場合、組織強化には結びつかない。
 店長一人学ぶより、部下ひとりひとりが学ぶことのほうが、圧倒的に強くなれる。

  “失敗の独り占め”

 上司が、常に意識しなければならない、大切な心得だ。

 

 

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