著者 天外伺朗
皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。
久しぶりに、わくわくドキドキしながら読み進め、読み終わった本だった。
著者 天外伺朗(てんげしろう) 「非常識経営の夜明け」 (講談社)。
天外伺朗さんの著書は、私のおすすめにも「マネジメント革命」がある。
先日、本屋で天外伺朗さんの新書が出ていたので、ぺらぺらめくってみたら、
読んでみたくなった。
奮発して、新書を購入(めったにない!)。
一気に読みほした(飲みほした?)、という感じだった。
おすすめの書でもある「マネジメント革命」に関しても、経営や組織に関して
言ってはいけない“タブー”の世界を、堂々と表現しており、経営者の立場から
すると勧められない部分もあろうが、現場を預かる私としては、率直にその通り
と拍手喝采を送りたい本音の内容だ。
そして、今回の「非常識経営の夜明け」は、その続編といってもよい。
おもしろくない訳が無い。
“やり過ごしの出来ぬ部下は無能”
彼の著では、「やり過ごしの出来ぬ部下は無能」と言い切っている。
やり過ごしとは、上司の指示命令に関して、部下に現状を考え、すべきか
すべきでないかを考え、体を張ってやり過ごすことだ。
このやり過ごしが行われる事によって、組織は快活になり、上司も自由な発想
で物を言え、部下も現状を認識してやるべき事、やり過ごすことを見分け、優先
順位を守り組織を守る。そして、部下も自ら考える力を養う。
“やり過ごしに怒り狂う上司も無能”
そこまで言い切る。常識あふれる企業が聞いたら卒倒する言葉だ。
本来組織論で言えば、やり過ごしは「コントロールロス」として許されない行為。
しかし現実、随所にやり過ごしが行われ、組織が弾力性を発揮する裏側には、
やり過ごしの実態がある。
“経営学は役に立たない”
経営学とは、「人間は合理的な存在」を前提に蓄積されてきた。
しかし、本来、人間とは、決して合理的な存在ではない。
深層心理の中では、ドロドロにうごめいた泥沼のようなもの。
だから、理路整然とした「経営方針や行動計画」だけが現場に入ってきても
現場では、歯車が一向に噛み合わず、空回りするのみ。
現場では、現場の人間の「腹に入った言葉」だけが、エンジンを動かす燃料だ。
それは、“受容”という信頼で結ばれた人との関わりから醸成されるもの。
その根底にあるのは、「心の底から部下の成長を願う」上司の存在だ。
それはまさに、未来永劫、宇宙の法則のサイクルだ。
人は、自ら学んだ技術面や精神面を、今後の世代へ託してきた。
幾世代にも、繰り返し繰り返し、成長し新化を遂げてきた。
“誠実に、後の世代の発展を願う”
これが、宇宙の法則、この世の法則。
この法則を極めていくことが、精神の成長なのだろうと思う。
経営学が約に立たない、と言う事ではなく、
人間学を前提にして、経営を熱く語らなければ、人の心に響かないし、
人の心が、あるべき姿になって初めて、お腹にストンと落ちるのである。
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