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2008年12月 9日 (火)

ある老人のこと。

皆さん、こんにちは。
 北関東の食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


私のお店には、警備員を入れている。
 週2回程度、万引き対策として入れている。

 先日、その警備員が、ひとりの老人男性を捕まえた。
 
  私は、その男性を見て、違和感を感じた。
  いつもの万引きとは、服装が違っているのである。

 7割の商品は、実際に買われている。
 残り3割を万引きする。
 これは、良くある手口だ。

 万引きも、見つかる確率と、心の痛みの問題から、全商品の万引きは避ける
 ようだ。

 私は、彼に質問した。
  「ほとんど買われてますね?。どうして、これだけ万引きしたのですか?」
  「お金が無かった?。それとも、この程度なら許されると思った?。」 

 彼は、言った。
  「お金が無かったのです。」

 私は、思った。
  “そんなはずは無い!。身なりが違う。”
  どう見ても、万引きをするような身なりではない。

 いずれにせよ、どんな些細な万引きでも、警察に引き渡すのが当社だ。
 私は、躊躇せず、交番に連絡した。
 万引き犯の名前、住所の報告もした。

  程なく、いつもの馴染み?の、おまわりさんが到着した。

 おまわりさんが、再度、男性に問いただした。
  「どうして、こんなことしたの?。お金が無いわけではないでしょう?。」

 男性は答えた。
  「いえ、お金が無いのです!。」
 彼は、毅然として言い放った。
 何か、過去と訣別するような、潔さを伴って言い放った。

  何らかの理由で、家も土地も他人名義に変更したらしい。
  そして、いずれ家を出て行く、と言う。
  
  しかし、たかだか2000円弱のお金が無いわけでは無い。

   何が、彼を、そうさせたのか?

 そして、その後、彼の家族が彼を迎えに来た。

  その悲しみたるや、想像に難くない。
   しかし、彼は、悪びれる様子も無く、覚悟を決めたように、うつむいていた。

 私は、彼ら二人を、まともには見れなかった。
 毅然とうつむく彼の姿が、自分とダブったからだ。

 別に、私が事業経営者とか、資産家とか言う事ではない。
 
  いずれ、人間は老いていく。そして、変わっていく。

  その時々で、人間の環境は変わっていく。
  その時々で、変わらぬ覚悟で、正義を全うできるのか?。

 人間とは、逆境には “弱いもの”。
 自分は、どんな逆境にも負けぬ、正義の心をまっとうできるのか?。

  彼の姿が、自分にダブって見えた。
  常に自分を失わずに、環境の変化に耐えられるのか?

 また、先日のテレビ報道では、有名プロデゥーサーの万引き報道。

  「勝手に、手が動いていた。」

 逆境にあって、全ての人が遭遇する現実だと思う。

PS
 右上のアルバムに「足利エリア」http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/photos/asikagamr/を載せました。どうぞ。

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