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2008年9月 7日 (日)

鮮魚チーフの叫び

皆さん、こんにちは
 北関東の食品スーパーで店長をしている「てっちゃん」です。


鮮魚チーフが休憩室でタバコを吸っていた。

 私は、売場展開の打合せを兼ねて、立ち寄った。

 突然、鮮魚チーフから話があった。

  「店長、自分は、発注やりたくないです。」

   「なぜ?。」

  「自分で、数量を自分で決められない発注なんて、やってられないですよ。」

   「・・・・・?。」

 事の発端は、こうだ。

  先日のトップの来店で、もっと攻めろ、との檄。

  そして、お店での会話。

  そこまでは、良かった。お店のモチベーションも高まり、「さあっ、やるぞ!。」

  しかし、それが、本部バイヤーへもダイレクトに伝わり、
  そこから、バイヤーは、バイヤーで動いた。

  また、店舗運営部へも伝わり、そこはそこで動いた。

  そして、店舗運営部とバイヤーが連動して対応した結果、
  発注数量と品揃えを標準に戻し、更に、発注数量を店長と毎日確認すること。

 そこに、現場で一番、情報をもっている「チーフ」は不在の状態。

  それは、おかしい。絶対におかしい。

 その場では、鮮魚チーフを慰めたが、その後に、彼はトレーナーへ電話。

  その内容を聞いたバイヤーが、私に連絡してきた。

  「鮮魚チーフが、ぐれているらしいのですが?。」

   「ああ、ぐれているよ。バイヤーの対応と返事がそっけなかったらしいよ。」

  「私は、私の立場で、あの、その、この・・・!。」

  きっかけは、バイヤーが送り込んだ「生すじこ」だ。
  発注していない商品が入荷の為、チーフはバイヤーへ電話。
  そこで、バイヤーのぶっきらぼうな返答。

   それに、チーフは切れた。

 この鮮魚チーフも、私が入社以来、ずっと私を支えてきてくれた人間だ。
 私の信頼に応え、私の言葉を信じ、売場に反映させてくれていた。
 結果、数値改善に結びつき、お互いの信頼関係が強化されてきた。
 
 それは、以前のブログ「部門合同展開」http://tetu-syoubai.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_305c.htmlでも記した。

  「そこまで行ったら、私が入る以外、あるまい。」

 鮮魚チーフを別室へ呼んだ。

  「トレーナーに、発注はバイヤーに任せます、と言ったんだってな?。」

   「言いました。発注数量を自分が決められないなんて、納得できません。」

  理屈じゃ、納まらない。瞬間的に、わたしは、そう感じた。
  彼の気持は、良くわかる。私も通った同じ道だから。同じ経験をしているから。

  「お前の気持は、よくわかるよ。現場で一番お客様の情報をもっているチーフ
   が、発注数量を決められないなんて、絶対におかしい。」

  「しかしな、本部は本部で動いているが、一番競合店と戦わなければならない
   のは、現場のチーフだ。一番主導権を握らなければならないのはお前だ。
   その主役が、発注を放棄してどうする。発注数量を握るという事は、戦う
   意志を行使する、ということだ。ここで、自棄(ヤケ)を起こしてどうする。」

  「俺は、お前以外の人間とは、一緒に戦いたいとは思っていない。俺が入社
   以来、お前は、俺に着いてきてくれた。お前の気持はよくわかっている。
   この戦いは、是非とも、お前と一緒に戦いたいと思っている。それがお前に
   対する、俺の信頼だ。」

  ここから先は、もう、お互いに、涙目での会話だ。
  鮮魚チーフの目も、みるみる涙であふれてくる。

   こんな事で、こいつを見捨てるわけには、いかない。

  「俺の仕事は、お前の仕事の障害を取り除く事。そして守ってやることだ。
   お前の事は、必ず、守ってやる。心配しないで、発注だけは手放すな!。」

  「いいか、もう一度言う。お前以外とは、競合と戦えないんだ。わかったか。」

   「はい、わかりました!。」

  今回の件で、この男は、必ず成長する。いや、必ず、成長させる。
  
   それが、この男に対する、私の、信頼の証だ。

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